3Dプリンタの個人的な使用のコツ

 家庭用3Dプリンタに対する知見が少し溜まってきたので、備忘録&もしかしたら誰かの役に立つかもということでメモ。

私の使用機材

 FLASHFORGEさんのfinderを2018年9月頃から使用しています。
 この先のお話は、この機材を使用する中で得た知見なので、他の製品にはもしかすると当てはまらないかもしれません。

 当時たしか6万円ほどで購入できた(今は5万を切るようです)という点と、デザインの可愛さ、当時としては必要十分な性能、そしてスライスソフト(3Dモデルを印刷可能なデータに変換してプリンタに渡すためのソフト)の評判が良かったことが、購入の決め手でした。
 特に、スライスソフトの使い勝手は良かったと思っています。

 今から同じ価格帯で購入するのであれば、同社のAdventure3の方が良いかもしれません。
値段は若干上がりますが、本体サイズと騒音は小さくなった一方、印刷可能サイズが大きくなり、メンテナンス性もかなり向上しています。

3Dプリンタの選び方

 結論としては、今から安価で始めたいなら、FLASHFORGEさんのAdventure3をおすすめします、というお話。
 以下個人的に選ぶ際に注視しているところです。

■印刷方式
 FDM方式(熱でプラスチックを溶かして、積み上げる)と光造形方式(レジン液に光を当てて硬化させていく)が現在の家庭用の主流だと思います。
 両者ともに機種も価格帯も様々で、正直な所、本体ごとに得手不得手をよく調べて購入してください、としか言えません。
 更にお恥ずかしながら、光造形方式については所有していないため、コメントのしようがないという・・・
そのため、この先のお話は、FDM方式に限ったものとなります。

■使用素材
 1つ、FDM方式に関して申し上げることがあるとすれば、用途に合わせて、使用可能素材がPLAかABSかを吟味してください、というところでしょうか。(その他の素材も使える場合もあります)
 PLAの場合、印刷が安定しやすいです。外気の影響を受けにくく、複雑な形状でもひび割れなどが起きにくいです。
 ただし、硬い!3Dプリンタの特性上、どうしても表面に積層痕と呼ばれる凸凹ができるのですが、制作品によってはこれをヤスリなどで消す必要があります。
 私の制作過程の動画をご覧いただけるとわかると思いますが、このヤスリがけがかなり大変になります。
一方のABSは比較的硬度が低く、印刷後の加工がしやすいとされています。一方で印刷時はやや繊細で、外気の状態(特に温度)に敏感で、安定した環境を作らないと印刷に失敗しやすいと言われています。
 ・・・すみません、じつはABSも使ったことがありません
 ですが、私としては印刷時の安定性が重要なので、多少加工が大変でも、今後もPLAを選び続けると思います。
 印刷に24時間以上かかることもザラなので、安定して印刷できないと、かなりの時間とフィラメント代を無駄にすることになるからです。

■造形可能な大きさ
 家庭用3Dプリンタの造形可能サイズは意外と小さいです。
 もちろん、分割して印刷すればどんな大きさのものでも印刷できますが、
 家庭用3Dプリンタの精度では、印刷後に分割した部品同士がきれいにハマるという保証はありません。(ハマるときはハマりますし、だめなときはだめ、という感じ)
 そのため、目的としている工作物が、できれば一発で印刷できる大きさがほしいところです。
 もっとも、この点は機種依存で、選択肢の幅が少ないのが現状ですので、大きければ大きいほどラッキー、逆に安くても小さいものは使い物にならないかも、と思ってください。
 私の場合、11cmドール向けの家具を中心に作っていますが、大きさがだいたい14~16cmのものになることが多いです。finderは14cmの立方体が最大サイズなので、ギリギリ足りないために泣く泣く縮小するか、分割することが多いです。次に買うときはもう少し大きいものにするはずです。
 ちなみにAdventure3だと15cmになるので、使い勝手が随分変わってくると思います。

■本体サイズ
 機種ごとに様々ですが、思ったよりでかいです。
 私は下調べなしに買って、置き場に困りました。というより配送された時点で巨大なダンボールに圧倒されました。ドア通れてよかった・・・
 当然ですが、購入時はよく設置場所を考えてから購入してください。

■駆動音
 意外と、うるさいです。
 印刷に24時間以上かかることも多いため、寝ている間も動き続けているのですが、安眠が多少阻害される程度の音量が常に流れています(私の部屋でのfinder調べ)
 もちろん、印刷を一時停止すればいいだけなのですが、6時間も止めていたら印刷に何日待つのだという・・・
 騒音レベルの低い機種を選ぶか、設置場所を音が出続けても問題ない場所にすることをおすすめします。

■メンテナンス性
 インクジェットプリンタなどと違い、自分でメンテナンスを行う場面が多々あります。
 カバーを開けて、配線を外して、レンチとスパナを駆使して分解して・・・というのを私の場合2ヶ月に1回程度はやっている気がします。
 そのため、とくにメンテナンスが必要となるフィラメントの挿入口と射出ノズルに対してアクセスしやすい製品を選ぶと、ストレスが少ないと思います。(この点、あまりfinderはおすすめできません。Adventure3では大きく改善されたようです。)

FDM方式を前提としたモデリング

 FDM方式の場合、空中には印刷できないため、例えば「T」字型の部品を印刷しようとしたら、左右の横棒の下に、サポート材と呼ばれるサブの部品が印刷されます。これは印刷後に自分で切り離して上げる必要があります。面倒ですし、フィラメントの無駄ですし、印刷面も汚くなるので、このサポート材が最小限になることを考える必要があります。もしくは、隠せる場所にサポート材が来るようにすると良いでしょう。
 モデリング時に以下の点に気をつけておくと、このサポート材を減らすことができます。
 ・印刷時に、底面となるできるだけ広い平面を用意しておく(このためだけに、モデルを真っ二つに分割するのもあり)
 ・その底面を下にしたときに、宙に浮くような箇所があれば、可能であれば分割する

サポート材の付け方

 この項目は完全にFLASHFORGEさんのスライスソフト前提となります。
 FLASHPRINTでは枝状とライン状の2種類からサポート材を選ぶことができます。
 枝状は、複雑な形状に対応しやすく、剥離もしやすい、かわりにラフト(印刷物全体の大きさ+アルファの下敷きのような板が、最下層に追加される)が必須で印刷不良が起きやすい、ライン状はラフトが不要かつ安定して印刷しやすい傾向にあるものの、剥離時にデザインナイフなどが必須となります。
 私の場合、極力ライン状を使用し、複雑なものの場合に枝状を使用する、というスタンスで選んでいます。
 というのも、ラフトが嫌いだからです。
 あれだけでも多少の時間とフィラメントを消費する上に、ラフトに設置する部分は剥離しやすいようにかなら凸凹した形状になります。
 接地面の細い部品などではラフトもありがたいのですが、そうでない限りはラフト無しで印刷できるようにしています。
 そもそもサポート不要なモデルを作る→ラフトなしのライン状サポート→ラフトありのライン状サポート→枝状サポートといった考え方でいます。
この点は他の知見をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。あくまでも私の経験則であることをご了承ください。

印刷前の準備

 印刷も、ただデータを送ってほっとけばいいというものではありません。
 私は、印刷時は次のようにしています。
 ①プリンタのプラットフォーム(印刷される場所)をきれいにする。特に前回までに蓄積された糊の除去。
 ②スライスソフトでスライスまで終わらせる(プリンタにデータを送れる状態にする)
 ③プリンタのノズル温度を印刷可能な直前まで上昇させる
 ④印刷範囲に糊を塗る
 ⑤印刷開始
 特に糊に関する項目が独特だと思います。
 私は、プラットフォームと印刷物の食いつきが最重要と考えているので、この作業を欠かしません。
 食いつきが甘いことで造形中に反りが発生したりする、という悲劇を何度も経験しているためです。
 糊は定番のこちらを使用しています。

 この糊は接着力が高く、乾燥後にプラットフォームから剥がしやすい、という印象です。
 ただ、かなりはやく乾いてしまうため、印刷開始の直前に塗るようにしています。
 剥がしやすさも重要で、前回使用された糊が残ったままラフトなしの印刷をすると、その糊の厚みがある部分だけ凸凹になってしまいます。
 印刷後はかなり強力にくっついているので、テープはがしカッターなどで外しています。

一応刃物なので、取り扱いにはご注意を・・・しばしば手をスパッとやっております・・・

塗装時

 印刷とヤスリがけが終わって、さて塗装、というときに、気をつけたいのが、ドライブースの使用です。
 模型界隈に詳しくはないので、ドライブースの種類までは知らないのですが、熱を加えるものに関しては慎重に扱う必要があります。
 私は食器乾燥機をドライブース代わりにしていますが、この乾燥機能を使用すると、40~50度程度まで温度が上がります。この中で、PLAで印刷したものを乾燥させると、反りが発生する場合があります。
 そのため、今は、乾燥機は電源を入れずに、埃よけ代わりとしてのみ使用しています(;・∀・)

さて、私の今の知見として語れることは以上かと思います。
また何か気づいたことなどありましたら、更新していきたいと思います。

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